私は、糖尿病で12年インスリン治療を続けています。
将来的に私も例外ではありませんが、数人の友人は既に透析をしている人もいます。
全腎協では、現在の透析患者数は約33万4500人以上で国民の約380人に1人に当たると調査報告を出しています。
このように増加傾向にある人工透析が必要な人ですが、就職や転職は簡単とは言えません。
そこで、今回は腎臓障がいで人工透析が必要な人が治療と仕事が両立できる就職や転職の方法を解説します。
人工透析の人は就職や転職が難しい?
腎臓に障がいがあり、人工透析をする人の就職や転職は、雇用する側の配慮があれば、どの職業でも特に問題はありません。
ですが、採用担当から見た場合、簡単ではないと言えます。
理由は1つ、雇用する企業の配慮がないからです。
なぜないのか、憶測を交えて解説します。
透析への配慮がない企業
人工透析への理解がない企業は、透析のために週3回早退するなど時間の調整が必要な事が理由ではありません。
夜間透析やオーバーナイトなどの就業時間外の透析治療でも理解がありません。
そのような企業は、自社に健康保険組合がある企業が多いです。
理由は、人工透析にかかる保険費用です。
ひとりの1ヶ月の透析治療費は、外来血液透析では約40万円、腹膜透析(CAPD)では30~50万円程度が必要といわれています。
これらが、保険での負担になります。
保険組合の言い分では、社員全員が支払っている保険料の使われ方が平等ではないので、透析が必要と分かっている社員をあえて採用する必要はないというのが言い分です。
人事と保険組合では関係ないと思うかもしれませんが、末端の私レベルでは関係ありませんが、上層部は同じ穴の何とかです。
私がいくら採用したいといったところで、承認は絶対にされません。
つまり、面接は合格でもオファーが出来ないのです。
これが、キャリアがいくらあっても、スキルがいくら高くても採用まで進まない理由です。
でも、そのような企業ばかりではありません。
中には、理解があり配慮が出来る企業もあります。
次では、そのような、企業の探し方について解説していきます。
人工透析に理解がある企業を見つける方法
人工透析に理解がある企業を見つける方法は、採用実績がある企業を探すのが一番です。
就職と転職に利用が出来る一般的なサービスは4つあります。
- ハローワークで探す
- 就職・転職イベントで探す
- 就職・転職サイトで探す
- エージェントで探す
でも、どの方法でも理解のある企業を見つけることが可能な訳ではありません。
人工透析の採用実績が判らないサービス
- ハローワーク
- 就職・転職イベント
『ハローワーク』
ハローワーク、一番ベーシックな探し方です。
相談員がいて相談もできますが、情報量が少ないです。
-ハローワークで分かる内容-
- 求人事業所
- 仕事内容
- 賃金・手当
- 労働時間
- その他の労働条件等
- 会社の情報等
- 求人に関する特記事項
-コメント-
右下の詳細から詳しく見ることが出来ます。
でも、肝心なことが確認できません。
それは、人工透析の必要な人の採用実績です。
確かに求人に関する情報はありますが、人工透析の人が知りたい情報は、採用実績や在籍している人数です。
これがわかると、配慮の範囲が判るのですが、閲覧出来る内容だけでは一般の求人と何ら変わりません。
これでは、人工透析に理解があり配慮があるのか解りません。
『就職・転職イベント』
イベントで探す方法も良い点と悪い点があります。
良い点
・採用意欲が高い企業が参加しています。
・1日でまとめて数社廻れます。
悪い点
・混雑していて、しっかり話が出来ない
・透析の人の受け入れの本音が聞けない
-コメント-
イベントの良いところは、なんといっても1日に多くの企業の担当者と会えることです。
ですが、肝心な透析への理解については解りません。
また、質問はできますが本音は絶対に言いません。
なので、イベントを利用する場合は採用意欲がある企業を見つけるつもりで行き、後日改めてエージェントに透析について見つけた企業の相談をする方法が効率がいいです。
人工透析の採用実績が判るサービス
『就職・転職サイト』
就職・転職サイトで探す方法は、良い点と悪い点があります。
良い点
・自分のペースで探せる
・人工透析の人の採用実績や配慮が判る場合もある
悪い点
・一方通行
-コメント-
就職も転職も時間をかけて探せる人は良いですが、日中など思うように時間をかけられない人もいます。
特に、転職する人で在職中の人は仕事を抜けて探すのは結構難しいです。
そのような場合、就職・転職サイトでは夜間でも休日でも自分の空いている時間を利用して仕事を探すことが出来ます。
また、企業によっては人工透析の採用実績や障がい配慮として掲載されている場合があります。
ただし、採用人数の上限がある場合があるので、採用実績や配慮があるからと言って可能とは限りません。
『エージェント』
今回、紹介した探し方の中で人工透析に理解がある企業を探すのには、この方法が一番向いています。
対面かオンラインで、カウンセリングを行うので質問もできます。
また、エージェントは企業に人材を紹介する都合上、採用条件を詳しく聞いています。
なので、人工透析への配慮が必要だとエージェントに伝えれば、その条件に合う求人を紹介してくれるからです。
自分で探す必要もありません。
条件さえ伝えれば、あなたにぴったり合う求人を提案してくれます。
人工透析の人のその他の仕事の探し方
あまり、多くの企業が取り扱ってはいませんが、リファラルの利用です。
リファラルとは、知人の紹介です。
問題は、知人がいない企業では利用が出来ないことです。
でも、もし知人がリファラルが利用できる企業に勤めていたら、利用してみてください。
他のどの仕事の探し方より、採用確率が高いです。
理由は、通常の選考プロセスではなく直接ダイレクトに必要な配慮を詳しく個人的に伝えることが出来るからです。
雇用する企業側が、配慮できる範囲内であれば採用される見込みはグッと高くなります。
人工透析の人が利用するべき就職・転職サービス
人工透析の人が利用するべきサービスは、就職・転職サイトとエージェントです。
これは、別々に利用するのではなく、時間があるとき就職・転職サイトで採用実績や配慮のある企業を見つけておきます。
そのあとで、見つけておいた企業をエージェントに相談します。
この方法が、一番自分が納得いく方法なはずです。
転職サイトだけでは、情報が新鮮かわからないのと、詳細までが判らないので不安です。
また、エージェントだけでは、一方的に条件だけを見て自分の興味のある企業ではない提案をしてくる可能性もあります。
なので、自分で企業を探し出し相談をするのが、一番良いでしょう。
『結論』
人工透析と仕事の両立が必要とする、腎臓に障がいのある人の就職と転職の方法は、転職サイトとエージェントを利用するのが最も良いです。
まとめ
私の経験から、人工透析の人の就職や転職は決して簡単ではないと思っています。
ですが、間違った方法を選ばなければ可能です。
そのためには、エージェントの力を利用しましょう。
でも、どのエージェントも同じではありません。
各エージェントには、抱えている求人案件の数や得意としている地域や業界などの違いがあるからです。
あなたが、それを理解して人工透析のあなたに合っているエージェントを利用出来るのであれば何も問題ありませんが、普通は良く判らないのが当たり前です。
それでは、就職や転職が上手く進みません。
なので、なるべく多くのエージェントを利用して、自分の条件に合わせて絞っていくのが良いでしょう。
でも、時間があまりない、どのエージェントが良いのか判らないと言う場合は、JIERをご利用ください。
私たちは、障がい者の就職と転職サポートのプロです。
あなたの条件をお聞かせ頂ければ、今のあなたにとって一番良いエージェントを提案いたします。
サポートは無料・匿名でご利用が出来ます。
悩まずに、まずはご連絡をください。