障がい者の履歴書は、市販の物では書き足りない部分が多いので、正直言って向いていません。採用担当に充分に伝える事が難しいです。
そこで、伝えやすい履歴書と職務経歴書のフォーマットを用意しました。
ダウンロードは、こちらから出来ます。
障がい者の履歴書の書き方
履歴書の書き方を重要なポイントに絞って解説します。
重要なポイントは5つあります。
- 志望動機
- 健康状態
- 障がいについて
- 必要な配慮
- 本人の希望欄
1.志望動機
志望動機は、応募するポジションによって採用担当の見方が変わります。
障がい者の胃求人に多い、総合職と事務アシスタント、軽作業に別けて解説します。
『総合職』
総合職は、障がいへの合理的配慮はありますが、成果をキッチリ出し続けることが必要です。
この3つを意識して書きましょう。
- この業界と企業を選んだ理由
- 総合職を目指す理由
- 入社後の活躍について
この業界と企業を選んだ理由
製品やサービスなど具体的な事を盛り込むか、社風や理念に感銘を受けたことを入れると伝わりやすいです。
総合職を目指す理由
総合職は、管理職候補です。感銘を受けた事と紐付けてリーダーとして活躍したいことを書きましょう。
入社後の活躍について
入社後のビジョンを段階に分けて将来の夢と希望を書きましょう。
ポイントは、感銘を受けた事と繋がりをつけることで、面接官に働いて活躍するシーンをイメージさせる事です。
志望動機例文
-総合職-
私は、貴社の「障がい者は10人10色、必要なところへ必要な合理的配慮があれば活躍が出来る」と言う、ダイバーシティの考え方に感銘を受け志望しました。
私は、地域活動を通して障がいのある人と交流をする事で、障がいはひとり一人症状や特性が違うことを知りました。
また、必要な配慮もひとり一人違うことを学びました。
そして、その配慮があれば多くの障がい者が活躍出来ることも知りました。
私は、この経験をビジネスの世界でも活かし、障がい者ひとり一人が輝ける為の戦力となり、それをリードしていく事を目指します。
その為には、貴社の社風や理念の元で活躍し、多くの障がい者に伝え、貴社のダイバーシティへの取り組みを社会全体に広げていく一人として努力をしていきたいと考えています。
『事務アシスタント・軽作業』
事務アシスタント・軽作業は、障がいへの合理的配慮と働きやすい環境が重視されています。
志望動機は、この3つを意識して書きましょう。
- この企業を選んだ理由
- 事務アシスタント・軽作業を選んだ理由
- 入社後について
この企業を選んだ理由
事務アシスタントと軽作業は、企業により業務内容は多少変わりますが、基本どの企業もそこまで変わることはありません。
パソコンの入力やメール室や庶務業務等がメインになります。
なので、総合職のような業界を入れた志望動機ではなく、選んだ企業の働きやすい環境への取り組みなどを入れるようにします。
製品やサービスに関わる職場であれば、具体的に理由に入れても良いですが、関係の無い管理部門などでは具体性に欠けるので、かえって説得力に欠けます。
例えば、簡単な理由では「障がい者の雇用人数が多く、慣れていると思ったので働きやすいと思ったからです。」
と、このようにストレートな方が解りやすくて良いです。
他には、障がい者の採用実績でも良いです。
ポイントは、障がいのある私がどのような理由で働きやすいと感じたかと言うところです。
事務アシスタント・軽作業を選んだ理由
障がいへの配慮を重視した環境で仕事と治療を両立したかったとか、障がいへの配慮がある環境で出来る範囲で活躍をしたいと考えていたから等が良いです。
入社後について
「障がいと仕事を両立させながら、末永く働く事で貢献したい。」これが、一番です。
理由は、企業がそのように望んでいるからです。
志望動機例文
-事務アシスタント・軽作業-
私は、障がい者になってから転職を繰り返しています。
理由は、通院が出来なかったり傷害上出来ないことがあり、体も心も持たなかったからです。
ですが、働きたい気持ちは以前から変わりなく今もあります。
そこで、貴社の障がい者の働き方を知り、ここであれば長く安定して働く事が出来、それが貴社への貢献になると思ったからです。
採用された際は、出来る事出来ないことを明確にして、相談をしながら業務を進めさせて頂けたらと思います。
志望動機から知りたいこと
志望動機から採用担当が知りたいことは、働き方です。
簡単に言うと、キャリアや働きがいを重視しているのか、それとも障がい者として配慮のある範囲で働くかです。
軽作業の求人に、キャリアや働きがい重視だとミスマッチになるます。
書き方は、あなたの応募する求人に合わせて変えて下さい。
健康状態
健康状態は、現状を書くのですが、「良好です」とか「問題ありません」だけでは足りません。
例えばですが、規則正しく生活が送れていることを伝える事が効果的です。
特にメンタルの障がいがある人は健康管理が出来ている事は効果があります。
例
就寝 11:00
起床 7:00
朝食 8:00
昼食 12:00
夕食 19:00
入浴 21:00
基礎疾患がある場合は、毎朝の血圧、血糖値なども入れておくと良いです。
健康診断でもないのに、そんなこと必要かと思うでしょう。
でも、記入してあるとプラスになる場合があるんです。
それは、書類選考で障がいや基礎疾患がある人で選考を進めるか悩んだとき、産業医や保健師に相談をする場合があるからです。
このように、健康状態を明確にしてあることで、問題ないとして選考を進められる場合があります。
逆に、健康状態が解らないと、確かめてからということは少なくて、まず選考はそこで終わります。
少しでも、選考を進める可能性を高めるために、無駄だと思っても記入しておくと良いです。
健康状態から知りたいこと
健康状態から、採用担当者が知りたいことは、安定して就業が出来るかです。
生活リズムが乱れている人は、体調やメンタル面が弱くなっている場合があります。
採用して困ることは、入社後即休職したり、退職されることなので、とても重要なポイントです。
市販の履歴書では記入欄はありませんが、記入することで採用担当者に安定して働けることをアピールします。
障がいについて
障がいについては、市販の履歴書には欄がありませんが、JIERの履歴書には必要な事が書いてあるので埋めて下さい。
欄は4つ有ります。
- 通院
- 服薬
- 治療
- 手帳交付日
書き方は、通院は定期通院が有るか無いかで、有る場合は頻度も記入して下さい。
服薬は、薬の名前と種類、1日に飲む量を記入します。
治療は、治療中なのか経過観察なのか記入します。
手帳交付日は、手帳に書かれている交付年月日を記入して下さい。
障がいについてで知りたいこと
通院や治療などから、働ける状況か判断します。
また、手帳の交付日からの期間で障がいを受け入れているかの目安にします。
薬の量や種類から産業医に意見を聞くこともあります。
必要な配慮
必要な配慮は、全て記入します。
後で、追加は出来なくもありませんが、採用される職場によってはマニュアルの作り直しや、用意する道具などが必要になり、即対応が出来ないこともあるので、全て最初に記入して下さい。
また、ここは企業側が対応出来るかの判断になります。
採用されるために、配慮が必要ないと記入する人は結構いますが、結局仕事がやりにくくて退職に繋がります。
ここは正直に書くようにしましょう。
もし、それで採用されないのであれば、それだけの企業と言うことになります。
やる気のある企業であれば、必要な配慮は用意してくれます。
本人希望欄
本人の希望欄は、特になければ空欄でも良いですが、少しでも希望があれば記入しておきましょう。
例えば、通勤時間は一般と同じで良いが、もし可能であれば時差出勤を希望等です。
他にも、最初の1ヶ月間は体の体調を見ながら働きたいので、週30時間から始めたい等も、記入して下さい。
本人の希望欄の書き方
相談ベースの事で良いので、あれば何でも記入しておきましょう。
障がい者の職務経歴書の書き方
職務経歴書は、障がい者としての働き方で書き方が変わります。
履歴書のところで解説した、総合職と一般事務アシスタントと軽作業では変わると言うことです。
総合職は、過去のキャリアや応募先の企業との接点から採用担当が興味が出るような書き方をします。
一般事務アシスタントと軽作業も、キャリアやスキルなどは書く必要がありますが、今度応募するポジションとの接点は必要有りません。
知りたいのは、パソコンスキルのレベルとビジネスマナーのレベルです。
大体は、過去の職務経歴書から読み取ることが出来るので、詳しく記入して下さい。
また、スキルも持っているのは全て書いておくと良いです。
事務職に玉掛やガス溶接の資格などいらないので記入しない人がいます。
また、採用担当者も必要ないという人もいますが、前職までにどれだけ努力していたか、一生懸命やっていたかが解ります。
なので、無駄ではないので記入をしておいた方が良いです。
それでは、書式に合わせて説明をしていきます。
職務要約
職務要約は、社会人としての経験をまとめたあらすじです。
分かりやすく、簡素に100-150文字程度で簡素にまとめましょう。
職務経歴
企業名から社員数などの規模までと、自分の業務について詳細を記入します。
ダウンロードしたファイルには必要事項が書かれています。
在籍した期間と退職した理由まで書けると理想的です。
資格・特技
特にない場合は、「なし」で良いですが、今回の求人に関係ないと思われるし宇角でもあれば全て記入します。
経験・知識・技術
学生の頃の経験や、趣味でも良いです。何らかの成功体験や他の人が知らないような知識があれば記入してください。
PRポイント
今回の求人に関するPRポイントを記入します。
過去の職務経歴からや、持っている資格からでも良いです。
また、どの求人にも対応可能な事でも良いです。
例えば、過去の職務では一度も欠勤はないとか、パソコンの文字入力は早くはないが、誤入力が無いなどでも良いです。
また、EXCELのMOSなどの資格はありませんが、ピボットやVLOOK UPなどの関数が得意など細かいことでも良いです。
一般の選考で見る職務経歴書とは違いますが、自己PRは必須です。
履歴書と職務経歴書の見本
履歴書と職務経歴書の見本を用意しました。
クリックで拡大されます。
-履歴書の見本-
-職務経歴書の見本-
フォーマットダウンロード
履歴書と職務経歴書のフォーマットがダウンロードできます。
ZIPファイルには、ExcelとPDFが入っています。手書きとパソコンで作成するのに使い分けて下さい。
フォーマットダウンロード
*現在、Excelのフォーマットがダウンロードすると崩れる現象が出ています。調査中ですが復旧するまではEXcelデータを編集するかPDFの方をご利用ください。
まとめ
障がい者としての働き方を選んだ場合、一般とは履歴書の書き方も変わります。
もっと正確に言えば、障がい名が同じでも症状の違いから書き方は変わるべきです。
履歴書は、就職や転職で一番最初に通過しなくてはならない所です。
いい加減な、書き方では書類選考は通りません。
ここで今回紹介した履歴書の書き方は一例です。
あなたに合わせて一番良い履歴書を作成して下さい。
この記事は、これで終わりです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
どうしても上手くかける自信が無い方へ
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