障がい者の就職や転職で一番必要で大事な物をご存じですか。
スキルやキャリアではありません。
丁寧に書いた応募書類でも、推薦状でもありません。
それは、『自分のトリセツ』とか、『自分の取り扱い説明書』とか『自分マニュアル』とか色々な名前で呼ばれている『ナビゲーションブック』です。
今回は、どうしてナビゲーションブックが大事で必用なのか説明をして作り方を解説します。
また、効率よく作成できるように、当メディアのアドバイザーが採用担当目線でオリジナルテンプレートを作成しました。
身体・知的・精神・発達障がい・難病の人誰もが利用しやすい様になっています。
記事内でダウンロードが出来るので、是非ご活用下さい。
ナビゲーションブックが大事で必要な理由
障がい者の就職や転職で、ナビゲーションブックが必要な理由は、あなたが働きやすくなる為です。
そのことについて詳しく解説します。
ナビゲーションブックとは
まず、ナビゲーションブックとは、あなたが働きやすくなるために必要な事を詳しく解説する物です。
内容は、あなたの障がい特性や個性について説明をし、それによる苦手なことや得意なこと、注意が必用なことなどを明確にします。
そして、その対策として必要な配慮を書きます。
もっと、簡単言うと。
あなたが働く為に必用な環境を解りやすく解説したのが、ナビゲーションブックです。
このナビゲーションブックがあると、あなたは働きやすい環境を簡単に説明ができます。
また、企業や一緒に働く仲間にあなたのことを良く知ってもらえるようになり、トラブルや間違った評価がなくなります。
そうすると、あなた自身も一緒に働く人も、お互いに不満や不安がなくなり、満足な環境で仕事が出来るようになります。
これらを、全て解りやすくまとめて説明しているのが『ナビゲーションブック』になります。
ナビゲーションブックとは、あなたの要求だけでなく、あなたと企業が良い関係にあるために必用な道具です。
ナビゲーションブックのあなたへの効果
-あなた-
- 苦手な仕事は少なく、得意な仕事を優先
- 障がい特性を知ってもらう
- 通院や治療への理解
苦手な仕事は少なく、得意な仕事を優先
人によっては、障がい特性上どうしても難しい仕事はあります。
それを、仕事として要求するのは理不尽です。
ですが、それはしっかり解るように企業側に伝えてないと解りません。
伝える事が出来れば、「言ってくれれば配慮したのに」と、言うことがおきません。
また、逆に障がい特性に関係なくスキルや経験などから、得意なことも伝える事が出来ます。
結果、あなたは得意で無理のない仕事を配慮のある環境で出来ます。
障がい特性を知ってもらう
障がい特性は、メンタルの障がいの場合、出来る事や出来ない事だけでなく、一般の行動として表れることもあります。
特性は、ひとり一人異なるので、定義することは難しく、それ故に廻りの理解も困難になります。
このことを事前に理解してもらえないと、「性格が悪い」とか「非常識」だとか、あなたの気持ちや考えと全く違うように廻りが捉えてしまうこともあります。
ですが、事前に知っておいてもらえば、障がい特性として理解を得られます。
そうすることで、コミュケーションは崩れないで、あなたが働きやすい環境を維持する事が出来ます。
通院や治療への理解
障がい者として必用な治療や経過観察は、症状の軽減や安定にとても大切なことです。
ですが、繁忙期などに早退したり欠勤して通院すると、廻りは良い顔をしないことがあります。
それは、治療や経過観察の必要性を理解していないからです。
それを事前に知らせておくだけで、いつでも気兼ね無しに通院をする事が可能になります。
ナビゲーションブックの企業への効果
-企業-
- 障がい特性の理解が深まる
- 間違った評価をしない
障がい特性の理解が深まる
企業側の人は、障がいについて詳しくはありません。
また、同じ障がい名でもひとり一人症状が違うことなども知りません。
それを、ナビゲーションブックで、あなたにフォーカスして詳しく教えることで、どのような障がいで必用な配慮は何が必用なのかが解ります。
企業側は、何をすれば良いのか解らないことで採用を躊躇します。
それをクリアにすることで、問題点がなくなり採用をしやすくさせます。
間違った評価をしない
ナビゲーションブックで、障がい特性を理解することで、理不尽な仕事や成果を要求することが避けられます。
間違った評価は、障がい者としては納得できないのでせっかく採用されても定着が出来ないこともあります。
ですが、ひとり一人についてしっかり理解をすると、間違った評価をしないようになります。
結果、障がい者にも企業にも良い効果が出ます。
ナビゲーションブックのテンプレートの解説とDL
ナビゲーションブックについて解説します。
まずは、ダウンロードをして下さい。
その上で、見ながら進めると解りやすいです。
ナビゲーションブックのダウンロード
当メディアオリジナルのナビゲーションブックがzipファイルでダウンロード出来ます。
ファイルは、ExcelとPDFでどちらもA4サイズになります。
Excelは内容を変更することも可能です。
適宜ご利用しやすい方をお使い下さい。
書き方
どの項目もシンプルに解りやすくが基本です。
難しく書く必要はありません。
主治医の診断書を参考に書くと書きやすいです。
-診断書とナビゲーションファイルの違い-
診断書で良いではないかと言う人もいるでしょう。
でも、違うのです。
診断書は医学的見解で書かれています。
障がいの説明には的確です。
ですが、個人ごとのひとり一人の配慮の詳細までは分かりません。
また、ひとり一人に違う障がい特性、今までの経験やスキルなど個性ごとに必用な事は書かれていません。
ナビゲーションブックは、それらを全て網羅したひとり一人のトリセツなのです。
ナビゲーションブックの作り方
ナビゲーションブックのテンプレートを解説します。
ナビゲーションブックは、細かく書くだけではいけません。
必要な事だけをシンプルに書きましょう。
ナビゲーションブックと言っても、本のように複数ページを書く必要はなく、解りやすいと言うことが第一です。
これは、単に自分の説明をするだけでなく、コミュニケーション能力としても担当者は見ています。
どうしてもナビゲーションブックだけでは心配なときは、読んだ後に疑問や質問があればその都度聞いて貰えるように伝えるかナビゲーションブックの項目の「その他」に書いておくと良いです。
それでは、解説をしていきます。
まず、ナビゲーションブックには7つの項目があります。
- 障がい名
- 現状
- 就業
- コミュニケーション
- 思考・行動
- 体調・披露
- その他
障がい名
障がい名は、主治医の診断書の通りに書くようにします。
省略したりしないように書くようにしまよう。
また、他の呼び方がある場合は、それも一緒に記入しておきますが、同一の障がいである事を明記します。
例:LD=学習障がい
現状
ここでは、障がいの治療や症状について書きます。
主な内容は、障がいの起因となる症状の治療状況です。
治療中であれば、治療中とし必用になる通院について詳しく書きます。
経過観察中で定期通院が必用であれば、頻度について書いて下さい。
また、服薬している薬は名前と利用目的についても明記して下さい。
理由は、企業が産業医や保健師と情報を共有をして必用な配慮をするためです。
就業
就業については、セールスポイントと苦手な事を明記します。
これで、就業に必用な合理的配慮を解りやすくします。
-セールスポイント-
まずセールスポイント、得意なことを書きます。
出来れば、具体的に作業単位で書くのが良いです。
例えば、Excelの関数を使った集計が得意です。とか、ピボットを遣う事が出来ますなど、具体的な内容が良いでしょう。
これは、担当者に具体的に働くイメージを植え付けます。
-苦手なこと-
障がい特性上、出来ないことや苦手なことを書きましょう。
たまに、これを書くことで採用が難しくなるのではないかと言う人がいますが全く逆です。
採用する側は、障がいがあることを承知で採用します。
当然、苦手なことはあると想定しています。
なので、ここでは苦手なことを明確にすることで、採用する時の配慮がわかるので雇用しやすくなります。
逆に、これが明確でないと採用にはなりません。
苦手なことは、セールスポイントより大切なところなので、思い当たることは全て書いておくと良いです。
コミュニケーション
障がい特性だけではありませんが、人それぞれコミュニケーションを取るのが苦手な人もいます。
私も、コミュニケーションを取るのは苦手で、できれば一人でいる方が楽なのですが、仕事ではそうも行言ってられません。
ですが、上手くコミュニケーションを取ることも出来ません。
このような場合、一緒に仕事をする人達に、あらかじめコミュニケーションを取るのが苦手だという事を伝えておけば理解をしてくれます。
コミュニケーションを取るのが下手な事はすぐには直りませんが、工夫をする事で一緒に働く人達と解り合える事が出来るようになります。
そうする事で、職場で必用なコミュニケーションの取り方を考えることも出来ます。
思考・行動
障がい特性や生まれ育った環境などで、思考・行動は変わります。
あなたをより理解するために必要な事なので、思うことを書いて下さい。
これにより、あなたへの理解がより深まります
体調・疲労
現在の体調について書きます。
体調に合わせた働き方があるので、無理して良く書く必要はありません。
例えば、時短勤務で慣らしながら仕事をして、体調が安定して保つ事が可能であれば、徐々に時間を延ばして行く事が出来ます。
また、疲れやすい人も明確に書きましょう。
それにより、1日の就業時間を調整したり、週中で休日を入れるような働き方に調整が出来ます。
他にも、1日の就業時間中の休憩の散り方なども合理的配慮として取り入れることが出来ます。
その他
その他、必用な配慮を何でも欠いて下さい。
例えば、頻繁な移動が難しいので自分の机にプリンターが必用とか、障がい特性上過集中するので休憩を定期的に取るための工夫が必要など、あなたの障がい特性に合わせて必要な事を記入します。
ナビゲーションブックの活用方法
ナビゲーションブックは就職や転職をするとき、あなた自身を理解して貰う為の必須アイテムです。
ですが、他にも活用が出来ます。
それは、就職や転職後のアセスメントです。
どの企業にも評価制度があります。
当然、企業で決められた「ものさし」はあります。
ですが、それは誰にも当てはまるものさしで、あなたの障がい特性を考慮してはいません。
また、障がい特性も変わることもあります。
当然、それに合わせてナビゲーションブックを更新しなくてはいけませんが、しっかりアセスメントをするための指標として利用が出来ます。
これが出来ないと、正当なアセスメントは不可能です。
上司や人事、産業医、保健師と共有しましょう。
せっかくナビゲーションブックを作成したら、そのあとも更新して利用を続けましょう。
まとめ
如何でしたでしょうか。
ナビゲーションブックは上手く作れそうですか?
就職や転職で、ナビゲーションブックが有るのと無いのとでは、有る方が断然に有利です。
それは、あなたを採用する為に知りたい障がい特性と、それに対して必用な配慮全てが解るからです。
障がい者が採用されない理由のひとつに、企業がどのように配慮したら良いか解らないと言う事があげられます。
これが、採用しない理由全体の約80%を占めます。
なので、そこをクリアに出来るナビゲーションブックがある事で、就職や転職の成功率はとても高くなります。
難しく書く必要はありません。あなたのことを解りやすく書くだけで伝えることが出来ます。
この記事は、ここまでです。
最後まで読んで頂きありがとうございうました。
JIER Inc.は、あなたを応援致します。
どうしても上手く作る自信が無い方へ
どうしてもナビゲーションブックが上手く作れない方は、転職サイトのエージェントサービスに相談すると良いですよ。あなたへのカウンセリングを基にナビゲーションブックを作るアドバイスをしてくれます。また、応募書類には推薦状も付けてくれるので効果は100倍です。
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